東芝レグザの4K液晶テレビ「55M550L」（Lシリーズ）と「55M550K」（Kシリーズ）は、どちらも人気の高いモデルですが、見た目は似ていても中身は大きく進化している点が特徴です。どちらを選ぶべきか悩んでいる方も多いことでしょう。
結論からお伝えすると、この2モデルの選び方は、「高画質や快適な操作性を重視するならL、価格とパワフルな音質を重視するならK」が判断基準となります。
Lシリーズは新しい世代のエンジンとOSを搭載し、使いやすさが向上しています。一方、Kシリーズは型落ちモデルならではのお求めやすい価格と、内蔵スピーカーの音量に魅力があります。
このガイドでは、LとKの主な違いを機能と価格の面から詳しく解説し、あなたのライフスタイルに合う最適なモデルを見つけるお手伝いをいたします。
55M550Lと55M550Kの主な違い【早見表と結論】
55M550Lは2023年（または2022年）モデル、55M550Kは2021年モデルという世代の違いがあります。この世代の差が、映像処理や操作性、搭載機能に反映されています。
| 違いのポイント | 55M550L（新しい世代） | 55M550K（型落ち世代） |
|---|---|---|
| 映像エンジン | レグザエンジンZRⅡ | レグザエンジンZRⅠ |
| OS（操作性） | レグザ専用OS (Linuxベース) | Android TV |
| ネット動画対応 | Netflix対応（ダイレクトボタンあり） | Netflix非対応（アプリ追加で視聴可） |
| 録画機能 | ダビング、別室視聴（レグザリンク・シェア）に対応 | 基本機能のみ |
| スピーカー | 20W | 24Wまたは40W（ウーファー内蔵） |
| 音声操作 | 外付けマイク（またはリモコン） | 本体マイク対応（ハンズフリー操作可） |
最新の機能が整っていて快適さを求めるならL、価格の魅力を優先したいならKを選ぶのが正解といえるでしょう。
映像処理と操作性：Lモデルが大きく進化したポイント
新しいLシリーズは、映像処理と操作インターフェース（UI）の進化により、全体的な快適性が向上しています。
世代が新しい「レグザエンジンZRⅡ」を搭載（Lモデル）
55M550Lには「レグザエンジンZRⅡ」が搭載され、Kモデルの「ZRⅠ」から進化しています。
このエンジン刷新により、映像の細かさや色味がより自然に表現されるようになりました。特に、明暗のコントラスト表現や色の再現性が向上しており、映画やスポーツ番組などを見た際に奥行きのある映像が楽しめる可能性が高まります。
また、Lモデルでは人物の肌の質感をより自然に表現する「美肌フェイストーンZRⅡ」が採用されており、画質処理技術も進化している点も魅力です。
OSがレグザ専用へ変更され動作が快適に
Kシリーズは「Android TV」をOSとして採用していますが、Lシリーズでは独自のシンプルな「レグザ専用OS」（Linuxベース）に変更されました。
これにより、Lモデルは動作が非常にスムーズになり、アプリの起動や切り替え時間が短く、直感的な操作性でストレスを感じにくい設計になっています。ユーザーの評判でも、Lシリーズは「操作性が良く、動作もサクサク」という傾向が見られます。
一方、Kモデル（Android TV）は、アプリの動作がやや遅く感じられたり、電源を入れて映るまでに時間がかかるといった声も一部にはあります。
ネット動画対応とリモコンの利便性
ネット配信サービスを頻繁に利用する方にとって、リモコンの使いやすさは重要なポイントです。
Lシリーズのリモコンは、YouTube、Prime Videoに加え、NetflixやDisney+といった動画配信サービスへのダイレクトボタンが増設されています。これにより、ボタンひとつで視聴を開始できる便利さがあります。
Kシリーズもネット動画対応ではありますが、Netflix専用ボタンはありません。アプリをインストールすれば視聴は可能ですが、Lシリーズのようなワンタッチ起動の利便性はありません。
Kモデルの強みと価格面での魅力
Kシリーズは型落ちモデルであるものの、シンプルさや音響面でLシリーズに優る特徴を持っています。
本体マイク対応の音声操作と大出力スピーカー
Kシリーズが優れている点の一つが、本体マイクによるハンズフリー音声操作に対応していることです。リモコンを使わずに声だけでチャンネル変更や音量調整ができるため、料理中など手が塞がっている時に便利に感じられる可能性があります。Lシリーズは、このハンズフリー操作には対応していません。
また、スピーカー出力にも違いがあります。Lシリーズの出力は20Wですが、Kシリーズはウーファーを内蔵した重低音立体音響システムを採用しており、出力は40W（フルレンジ2個+ウーファー2個）と大きめです。
KモデルはDolby Atmosにも対応しており、映画や音楽番組などを大きな音で楽しみたい方、低音にこだわりたい方にとって、パワフルな音量と立体的な音場が大きな魅力となるでしょう。Lシリーズの音質は全体的にクリアですが、Kシリーズと比べて「低音が物足りない」と感じる人もいるかもしれません。
型落ちモデルならではの価格の安さ
Kシリーズ（2021年モデル）は型落ちであるため、価格が手頃になっている点が大きなメリットです。
価格差は変動しますが、2025年7月時点でのネット通販での価格差は3万円前後とされることもあります。セール時期など、タイミングによってはさらにお買い得になる可能性もあります。
最新機能にこだわらず、量子ドット＋直下型LEDパネルという高画質性能をできるだけ安く手に入れたい方にとって、Kシリーズは非常にコストパフォーマンスに優れた選択肢といえるでしょう。
知っておきたい共通の注意点とユーザーの評判
どちらのモデルも共通の基本的なスペックは高いものの、購入前に知っておきたい注意点や、実際の利用者の声から見えてくる傾向もあります。
両モデル共通の機能制限（倍速非対応など）
55M550Lと55M550Kは、どちらも倍速機能（120Hz）には対応していません。テレビの多くは1秒間に60コマで映像を表現しますが、倍速機能がないため、スポーツ観戦などの動きの速い映像では、動きにややブレを感じる人もいる可能性があります。
また、ゲーム機によっては4K 120Hzの映像出力に対応しているものがありますが、両モデルともに4K 120Hzでの入力は不可となっています（4K 60Hzまで対応）。
ユーザーの評判から見える傾向
実際の購入者の声からは、それぞれのモデルの特徴がよく見えてきます。
Lシリーズの評判の傾向
全体的に高評価が多く、特に操作の素早さ（UIの快適さ）と画質の向上を評価する声が目立ちます。AIによる自動調整の便利さや、ネット動画の再生がスムーズな点もメリットとして挙げられます。ただし、前述の通り、テレビ単体の音質（低音）に物足りなさを感じる人もいるようです。
Kシリーズの評判の傾向
「この価格でこの綺麗さなら十分」など、価格以上の満足感と高いコストパフォーマンスが中心的な評価となっています。また、ウーファーによる音量や低音を評価する声も多く見られます。一方で、OSの動作が時々もたつく、アプリの読み込みに時間がかかるといった、操作性に関する指摘も一部で見受けられます。
結局どちらを選ぶべき？おすすめの選び方
LシリーズとKシリーズは、いずれも4K画質、直下型LEDバックライト、豊富な録画機能（W録画対応）といった基本性能を共有しています。選択のポイントは、「何を重視するか」です。
55M550Lが向いている人
- ネット動画を頻繁に利用する人。
- 最新の機能を快適に、サクサクとした動作で使いたい人。
- 地デジやYouTubeなどのノイズ低減を重視する人。
- 録画した番組をブルーレイに残したい、または別の部屋で共有したい人。
- 価格差がわずか（例えば1万円以内）であれば、より新しい機能を選ぶ人。
55M550Kが向いている人
- 初期費用を抑えたい、価格重視で選びたい人。
- テレビ放送を中心にシンプルに使えれば十分な人。
- 大音量や重低音のある音響（Dolby Atmos含む）をテレビ単体で楽しみたい人。
- リモコンが見つからない時など、本体マイクでの音声操作を活用したい人。
- 価格差が2万円以上開いている場合、コスパを最優先する人。
まとめ
東芝レグザの55M550Lと55M550Kは、どちらも55V型4K液晶テレビとして優れた基本性能を持っています。
Lシリーズは、新しい映像エンジン（ZRⅡ）による画質の向上と、レグザ専用OSによる操作の快適さ、そしてネット動画への対応強化（Netflixダイレクトボタンなど）が大きな魅力です。
一方のKシリーズは、型落ちモデルとなったことで価格が手頃になっている上、ウーファー内蔵のパワフルなサウンドという、Lシリーズにはない独自の強みを持っています。
最新の使いやすさと将来性を取るならL、充実した音響と優れたコストパフォーマンスを取るならK、という形であなたの優先順位に沿って選んでみてはいかがでしょうか。どちらを選んでも、きっと大画面の4K映像を楽しめることでしょう。
